一般社団法人アルパインクライミング推進協議会では日本全国のアルパインクライミングルート情報をこのサイトにまとめています。
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登攀日時 | 2008年9月23日 |
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メンバー | 藤巻浩、西本恵美 |
ルート名 | やまねルート |
アプローチ、下降路の状況 | 新穂高から左俣林道に入り二つ目の左へ枝分かれする道を行くと、穴毛谷の大堰堤下に出る。穴毛谷は登山道無しで、四ノ沢は雪渓が消えるとガレ上の不安定な岩が多く、落石も多いため注意が必要。四ノ沢の左俣からは、左岸の下から三本目のピナクルルンゼを詰め上がり上部で右にある枝尾根を跨ぎ壁下ルンゼに出る。テント場はこの枝尾根上にあるが、2人用がギリギリ張れる広さしかない。 |
ピナクルの頭からの懸垂下降は「五月晴れ」を下りるので、事前に五月晴れを登っておいた方が良い。五月晴れの懸垂下降点は、全て木と岩角とハーケンでボルトは無い。ロープは60mで、下降用にハーケン数枚とスリングがあった方が良い。 | | ルートの状況(中間支点、ビレイ点、岩の状態、ライン変更の有無など) | やまねルートの残置支点があるのは凹角ルートの共用部のみで、1P目の終了点と3P目の一部に数本しかない。他のオリジナルライン部分ではビレイ点も含め何も無いので、カムは多めに持って行く必要がある。岩は全般的に硬いが、核心ピッチの最初の部分と最終ピッチの上部に少し浮石がある。最終ピッチの最上部が崩落したが、左から回り込んで登れる(この部分が脆い)。支点は全てカムでとれ、キャメロットのC4#0~3を2~3セットくらい。 記録:岳人2009年1月号(No,739) | | ルート整備に関する提案 | ルート整備をするという事は、他人の為という大義名分のもとスポートクライミングのように、その岩場をゲレンデにするという事である。アルパインの岩場とは野性であるべきで、それを体現するためにはオールフリーで、中間支点はもとよりビレイ点も懸垂下降点もノンボルトというのが理想である。そして、それを具現化したのが笠ヶ岳の岩部群である。ここは、本物の倫理観と、本物の実力を持った者達だけが来る岩場でよいと思う。間違っても、ハーケンだけで懸垂下降もできない者たちは来てはいけない。 | | その他特記事項/コメント | やまねルートの向って左2mくらいに並行してボルトラダーがあり、その左数メートルにももう一本のボルトラダーがある。この2本のボルトラダーは1960年代に打たれた物で、一本が中央フェースでもう一本は無名ルート。2本とも初登以来、再登されていないと思われる。半世紀以上の古さと使用頻度、倫理観などを鑑み2本とも撤去する予定。今後、他の岩場でも同様なボルトラダーの撤去が進む事を願ってやまない。しかし、ボルトラダーで蹂躙された岩場で、それを口実に、そこに何も無いかのようにラッペルボルトを打つ行為は、アルパインの倫理から見ればボルトラダーを作る行為と何ら変わらない。 | | 関連ページ | |
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